安原英明(愛媛大学大学院理工学研究科 教授)
愛媛大学教授である安原英明先生をお招きして、「四国CX研究会の設立とトライアングル愛媛の取組」という題目でご講演頂いた。以下その概要を示す。
安原先生は、 LoRA通信にいち早く目を付け、愛媛県内のある管理斜面にLoRA通信を装備した傾斜センサーを第1弾プロトタイプとして、H30年3月に設置、 H30年7月豪雨で小規模な斜面崩壊を捉えることに成功した。その後、LPWA技術を用いて 省人化できる防災・減災システムの開発について検討している。
(1)四国CX研究会
- 四国及び日本のインフラを護るため、また安心・安全な社会を今後も発展させていくために、土木に携わる 産官学が結集し一人ひとりが知恵を絞って考える研究会である。慢性的な労働力不足、インフラ維持管理対象の老朽化、自然災害の増加、という目の前にある課題に対し、IoT、AI、クラウドなどの新技術やDXを積極的に導入し、社会実装できる技術、仕組みを開発する。現在、正会員34社、賛助会員8社で活動している。
- 初年度研究テーマは以下の通りである。
- LPWA を活用した計測管理自動化(斜面監視の自動計測)
- ビッグデータ:各種データの活用研究(衛星・点群)
- オープンイノベーション:新技術全般の情報収集
- 若手によるCX
特に1.LPWA を活用した計測管理自動化は本コンソーシアムとも大きく関係し、管理基準値の設定や標準プラットフォームの開発は、協力して進めていきたいと考えている。
(2)トライアングル愛媛実装加速化プロジェクト
- 愛媛県では、デジタル技術やロボットを実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を令和4年度より展開している。
- 安原先生を研究代表者とし、11社のPJメンバーで「LPWA無線技術を用いた斜面災害監視システムの実装化プロジェクト」を企画し、採択された。
- 今後、愛媛県内の斜面災害を監視するシステム(愛媛モデル)の開発により、低コスト化・省人化を目指す。